──深夜、ベリルは寝付けずにキャンプを見回っていた。これは以前にも感じた、あの感覚だ。
強く感じる方向に足を向ける。
ここには雑木林は無く、代わりに連立する大小の岩がまばらに点在していた。膝くらいからベリルの身長を超えるものまで、様々なサイズの岩石群の中に入り、目を閉じる。
この気配──やはりキリアか。瞼を開き、その方向に顔を向ける。
「ホントに勘がいいねぇ」
不適な笑みを見せながらキリアが現れる。
「俺との約束、忘れた訳じゃないよな」
早く仲間になれと誘うように小さく両手を広げた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…