──夕食も終え、ベリルはトラックの荷台で星を眺めているミレアに歩み寄る。

「眠れないのか」

「……はい」

 同じく空を仰ぐベリルの顔を見つめて、

「わたしの力を、不思議がっているのでしょう?」

 切なげに笑みを浮かべ、顔を向けたベリルに視線を合わせる。

「ごめんなさい。それでも、わたしが狙われている理由は言えません」

「その力は、お前を狙い続けるようなものなのか」

 ミレアはそれに無言でうなずいた。

「この力が解放されるまで、執拗に追ってくるでしょう」

 そんな者に屈することなく抗い続ける決意の表れなのか、少女の表情は険しかった。

「一つ言っておく。だからといって、死のうとはするな。守る者として、それだけは許容しかねる」

 念を押すように左の人差し指を立てる。