*手駒
「一体どうなってんだ!?」
キリアは、さして広くもない室内をうろうろと歩き回り、どうにも納得が出来ず声を張り上げた。
ベリルの正体に関するデータが全て消え、いくら探しても見つからない。組織で奴のことを知っているのは俺だけのはずなのに誰が消した。
いや、もしあれを見たなら、消去などするはずがない。それともデータをコピーして、元を削除したのか。
もしも、そんなことをする奴がいるとすれば俺以外には考えられない。組織の奴らはボスに従順で反抗心など欠片もないのだから。
いっそのこと暴露してやろうと話し出せば、途端に口が動かなくなる。まるで、何かの力で押さえつけられたように、がんとして唇は閉じたままなのだ。
「一体どうなってんだ!?」
キリアは、さして広くもない室内をうろうろと歩き回り、どうにも納得が出来ず声を張り上げた。
ベリルの正体に関するデータが全て消え、いくら探しても見つからない。組織で奴のことを知っているのは俺だけのはずなのに誰が消した。
いや、もしあれを見たなら、消去などするはずがない。それともデータをコピーして、元を削除したのか。
もしも、そんなことをする奴がいるとすれば俺以外には考えられない。組織の奴らはボスに従順で反抗心など欠片もないのだから。
いっそのこと暴露してやろうと話し出せば、途端に口が動かなくなる。まるで、何かの力で押さえつけられたように、がんとして唇は閉じたままなのだ。