Marvelous mercenary-マーヴェラス・マーセナリィ-

「ボスの名前はセラネア。キリアってのは、組織の中でもトップクラスの兵士だな」

 ディスプレイに示されている文字を読み上げるジェイクの声を聞きながら、キリアの画像を拡大する。

 不気味に子供じみた笑みは、確かに昨夜に見た顔だ。

 組織にとって重要な位置にいるとしても、本人はそれに満足はしていない。そのための駒をほしがっている。

 その一つを私にしようとは、なんとも笑えない冗談だ。

「……ふむ」

 データによれば、組織自体は数十年前から細々と息をしていた程度のものだ。しかし、セラネアという男が組織のトップに立つとその勢いを強め、一気に世界有数の犯罪組織にまで上り詰めた。

 セラネアには不思議な力があり、悪魔がついているとさえ言われている。不思議な力はあの二人だけで充分だとベリルは頭を抱えた。