一方、

「襲われただってぇ!?」

 一緒にドペスターに乗り込んでいるジェイクが声を張り上げた。

「うむ。すぐに消えたがね」

「おいおい……」

「怪我の功名とでも言うのだろう」

 おかげで敵を知る断片を掴む事が出来た。

 呆れるジェイクに視線を合わせず慣れた手つきでキーボードを叩き、左手で携帯端末を取り出して誰かにかけ始めた。

「ヤン。調べてもらいたい事がある」

 彼がヤンと呼ぶ人物は「探し屋」と呼ばれる情報収集の専門家だ。ベリルはそういった人間や会社と数多く通じている。

「キリアという人物について頼む」

 軽く特徴などを説明し通話を終えて連絡を待つ。