──それから、一同は移動準備を始めた。
「俺が、お前の車を運転してついて来いと?」
確かに運転免許は持っているがとアレウスは眉を寄せる。
「少し、調べたい事があってね」
ベリルは一台の車を親指で示しながら答えた。十屯トラックを思わせる車体の中には、コンピュータが積まれている。
情報収集能力と通信設備が備わっている、彼らが「ドペスター」と呼んでいる車だ。
「隊の中ほどに位置していれば問題ない」
「だったらいいが」
やや不安げにちらりとミレアを見やる。
ミレア様がベリルの側にいたいことは言わなくても気付いている。きっと、悲しい顔をなさるだろうなとアレウスは小さく溜息をついた。



