「ミレア様は、つながりと言ったんだな?」

「ん? うむ」

「おそらく、遠隔催眠をなさったのだろう」

「ほう?」

「人の(えん)とは、不思議なものだと思わないか。ただ、すれ違っただけでも縁というものが生まれその後に影響を与えることもある。ミレア様は、目を合わせた者とつながりを持つことが出来るんだ」

「つながりか」

 解るような解らないような……。ベリルは眉間に深い縦じわを刻む。

「そのつながりを利用して、力をお使いになったのだろう」

「そうか。ありがとう」

 感情も物理的なものではあるが、さすがにこれは少々飛びすぎた話だ。

 自分の存在はまだ科学的に説明が可能だとしても、彼らの言っている事は難解で妙な知恵熱が出そうになる。

 ベリルは頭を抱え、このまま聞いているとますます理解が難しくなりそうだと早々に話を終わらせて遠ざかる。