──いつものようにキャンプが張られ、仲間たちとミレアは談笑しながら楽しく夕飯を食べている。

 アレウスもようやく、数人とではあるけれど打ち解けてきているようだ。

 食事を済ませ、監視が数人歩き回る深夜、ベリルは寝付けずに車から出て星空を仰ぐ。

 寝付けない時は決まって何かある。彼の持つ闘いのセンスなのか、きわめて勘がよいだけなのか。

 交代で火の番をしている仲間たちに軽く手を挙げて挨拶を交わすと、思案するために一人キャンプから少し離れた。

 近くには小さな森がある。森といっても、木が数十本生えているだけの、雑木林と呼ぶにもおこがましい程度だ。

 目を閉じて、微かに聞こえる虫の声に聞き入る。

 そうして乾燥地帯であるにも関わらず、肌にねっとりとまとわりつく違和感に眉を寄せた。

 強い違和感の方に目を向ける。