──移動中のベリルたち

<さすがに相手さんも思案しているようだな>

「どうだろう。戦術の変更を考えているのかもしれん」

 ここ二日、敵が攻撃してくる気配が無く、これからの対応をジェイクと話し合っていた。

 ミレアとアレウスは未だ、狙われる理由を話してはくれない。敵の攻撃が激しくなっていくなか、話してくれないからと留まってもいられない。

<このまま、街に入るのはどう考える?>

「あまり得策とは言えんな」

 街に入れば相手は大きな動きが取りづらくなると同時に、こちらも大勢での行動が出来なくなる。

<一長一短か。じゃあ、街の近くでキャンプを張るのはどうだ?>

「それも考えていた」

 知らない人間が行き交う街中より、その近辺でキャンプを張り仲間同士でいる方が安全だ。

 街の近くということに相手もしばらくは警戒を示すだろう。業を煮やして攻撃をしかけてくる潮時を、こちらが見誤ることがなければ実にいい選択だ。

<とりあえず。今日はここらでキャンプ張ろうぜ>

 決めかねて会話を切った。