「あの()も可愛いと思うんだけどね」

 ミレアを見やる。

「歳は結構、離れてるけどよ。俺に比べれば、許容範囲だと思うんだよな」

 あの赤毛が可愛いじゃないか、大人になったらさぞかし美人になるぞ。ベリルを慕っているようだし。

 そこまで考えて、ふと我に返った。

「──俺のガキでもあるまいし」

 なんだって、あいつの恋愛を気にかけてやらなきゃいかんのだ。

「仕方ねえか」

 それだけあいつが可愛いってことだろう。ジェイクは、ベリルを本当の弟のように思っていた。

 ベリルの持つ雰囲気は独特だ。初めて会う人間は、そのエメラルドの瞳に一瞬、呑まれる。

 神秘性を秘めているとでも言うのだろうか、小柄な体格であるにもかかわらず自然に目がいき、その動きを追いかける。