「ん? 素晴らしき傭兵だよ」

「素晴らしき傭兵──」

 二十五歳という若さで、そう呼ばれるだけの戦闘センスをベリルは持っている。

 ミレアが言ったように、ベリルに出会った事は幸運だったのかもしれない。

 しかし、幸運だったかどうかの結論を出すにはまだ早すぎる。もちろん、幸運であったと思いたい。

 アレウスは屈強な男たちの中にあって小柄ながらも一際(ひときわ)、存在感を放っているベリルに目を細めた。