──移動していたベリルたち一行は、暗くなる前に野営の準備を始めた。

「うお~い。そこのテーブル、こっちに置いてくれ」

 たいまつやたき火、電灯があちこちで灯され、なんとも賑やかに夕飯の準備が進んでいく。

「食料もたっぷり持ってきた。存分に食べてくれ」

 ジェイクはミレアとアレウスにアルミの皿を手渡した。

「ありがとう」

 ニコリと笑って簡易テーブルに向かうミレアの背中に、ジェイクの口元が緩む。

「可愛いな」

「少女趣味か」

 しれっと発したベリルに生ぬるい笑みを固めた。

「おい。俺はまだそんな歳じゃねえぞ」

「三十五歳だったな」

 改めて言われると十七歳の年齢差は微妙だなと眉を寄せる。

「本当に信用出来るんだろうな」

 アレウスはいぶかしげに男たちを見やり、ベリルに歩み寄る。