──ベリル襲撃の結果を聞いたキリアは口元を緩ませた。
「失敗した?」
これは、予想より早く俺の番が回ってきそうだ。組織のボスであるセラネアは相当、怒っているだろうが俺にはどうでもいい。
自分が失敗した訳でもなし。
むしろ、失敗してくれたことは俺にとって喜ばしい。
相手も戦力を増やしたようだが、こちらに比べれば補給だってままならないはずだ。
「俺とお前、どっちが上かな?」
口の端を吊り上げる。
キリアという男は戦闘において、単独で行動するだけではない。
大勢を指揮し、その能力を発揮してきた。
ベリルもそれをキリアと同じくしている。



