そんな恥ずかしいこと言えるか…!!



「そ、それより…っ」


その場をどうにか濁すために、話を変えた。



「話してよ。尚の話。」


本題はそれだったんだから。


すると、尚はムスッとした顔をする。


あからさまに機嫌を損ねた。



「…話して?」


尚の中学の頃の話や、今はなんで素を見せてくれたのかとか…


わからないことだらけなんだから。



「あ、あの…じゃあ、階段から落ちたからこんな性格になっちゃった、とかじゃないってことだよね…」



口を小さく尖らせながら尚は頷く。


内心なにを思っているのか、不機嫌なのがわかる。


(やっぱり扱いづらいかも…)



「じゃ、じゃあ!なんで…その……優等生だったの?」


「…じゃん。」


「え?」


「蜜希は、“可愛い”のとか好きじゃん。」



視線をそらされたまま、少し拗ねたように尚が言った。



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