彼氏キケン地帯




いたたまれなくなって、そう叫んだ。



こんなの酷い。

あたしの反応を見て、楽しんでるのなんて!



半泣きになると、さすがの尚も若干焦りを見せた。



「ごめん…」


と謝り、優しくキスをした。


「あ、あたしまだ…っ」


許したわけじゃない!

と言う前に、また尚の唇に遮られた。


“尚とキスしてる”


そう思うだけで恥ずかしくて、心臓がバクバクと鼓動を速める。


長いキスを繰り返してるうちに、だんだんそれは深いものになった。



「うッ…まっ…て」



知らない!知らない!

こんなキスまだ知らないんだってば!


脳内はパニックに陥っていて、暴れ出そうと手を動かすと簡単に捕まって押さえつけられた。


そうなって初めて気づく。


自分が、ベッドに押し倒されていて、その上に尚がいるってことに。



そう思うと、急に体が熱くなり、きゅーっと胸の奥が高鳴った。



初めての上級キスに、意識が朦朧とする中、両手を頭の上で束ねられ、胸元のリボンが外されたのがわかった。



ま、待てー!!!



声にならないこの羞恥な格好と状況に、死にそうになる!


これから自分が、その未知なる世界の果てを知ると思うと鼻血が出そうになる!



そう、鼻血が…




「エエ…ッ?!」



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