こんなことをしたら、また尚が怒る。
人の携帯、勝手に盗み出すなんて、あたしだって許せない!
今度こそ、完全に尚に嫌われちゃうよ?
彼女の意地悪な笑みを見て、屋上にいたとき芽生えた同情は完全に枯れ葉となった。
香奈の言ったとおりかもしれない。
泣いて人から同情かおうとしてんだ、この人。
普通だったら、好きな人に嫌われたくないって思うものじゃないの?
「ムカつく女ってコイツ?」
「うん。好きにしていーよ。」
「俺、ロリコンじゃないんだけど!」
「まぁ、なんでもいーじゃん。顔なんてさ。」
巻き髪ガールがいなくなると、男たちの視線が痛いほど刺さった。
「…色気ねーなぁ。」
人の顔を見るなり、男たちは馬鹿にしたように笑う。
余計なお世話じゃ、ボケ!
そう言ってやりたかったけど、さすがにこの状況にキケンだとわかった。
ニヤニヤと嫌らしい目で見てくる男たち。
く…っ
男たちの目が、「色気ねーなぁ。」と言っている。
くやしい!
なんだ、チクショウ!
その憐れみの目をやめろ!
「なぁ…ユウシにさ、可愛い色っぽい女紹介してもらおーぜ」
「だな。さすがの俺も、あれじゃ興奮しない。」
「俺も。」
ひそひそと話し出す男たち。
あのー…
全部聞こえてんですけど。
話がまとまったのか、男たちはくるりとこちらを向いた。
「わりぃ、帰っていいかんね。」
「なーんもしないから、ほんと興味ないから。安心してお帰り。」
「キミは可愛いよ。なんだか、俺の妹に似ていて手が出せんっ」
なんだ、この申し訳なさそうな顔。
しかもなんだ、最後の男は。
ただのシスコンじゃねーか。
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