ゆっくりと唇が離れ、尚がこちらを見る。




「……サボろ?」



至近距離で見る尚は、いつもと違って色っぽく感じる。



「尚…どしたの?」


尚がこんな風に、あたしにキスできるはずがない。


尚が、授業サボるとか絶対ありえない。


尚は………


「じゃあいい。」

「え…?」

「俺はこのまま寝てるから。蜜希、今日はバイバイ」

「一緒に…帰らないの?」

「うん。今日は先帰って?だから、明日はいつものところで待ち合わせね。」



軽々しく言う尚。

こんなのらしくない。

どうして?



保健室を出る前に、もう一度ベッドに座る彼の方を見た。



尚、今日は頭打っちゃったからちょっと変だっただけだよね?




明日は、いつもの優しい尚だよね?



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