しばらくは、仕事を休んだ。

無理も無い。

恋人が死んだのだから。



それでも時間は進み、

あるとき、

ふと、

お腹が鳴った。




「あぁ、生きてるんだ。」




誰もいない暗い部屋。

ため息ほどの消え入りそうな声が薄闇に響いた。

青い空気が震えて、

荒んだ部屋の時間が再び動きだした。


ゆっくりと立ち上がり台所へと向かう。

足の裏に、

フローリングの冷たさが滲む。