恋人[短編]




しまった、と思った時にはもう遅い。


そこら辺にいる人たち、全員私たちを見ている。



だんだん野次馬も集まってきた。



「お前は馬鹿か!!」


宮嶋はそう叫ぶと、私の手をつかみ、走りだす。

こんな恥ずかしい状況でも、宮嶋が私の手を握っていると思うと体が熱くなってしまう。


そして、ついた先は理科室だった。


最近、理科室に変な縁がある。



「何言ってんだよ、廊下のど真ん中で!! 恥ずかしい!」


あんたよりもこっちの方が恥ずかしかったわよ!


と言いたかったけど、それ以上に優先することがある。


テキトーに謝って、私が聞きたいことを言うことにした。


「ごめんね。さっきのこと本当だから」


今、好きって言ってるわけじゃないけど、これだけでも恥ずかしくなってくる。


「宮嶋の気持ちが聞きたい」