恋人[短編]


「なんでもないよ」


好きだから、なんて言えるはずもなく、私はそっけなく返す。


「なんでもないわけない。なんか、理由があるんだろ?」


その通りだけれど、その鋭さを私の気持ちの方へ向けてほしかった。


なんで、私の気持ちにだけ鈍感なんだろう。



こんなに好き好きビームを発射してるのに気付かないなんて。



「心配する、友達だし」



宮嶋が言う。


…………友達?


本当にそう思う?


私は、宮嶋にとってただの女友達としか見えないんだろうか。


これでも積極的に話しかけているつもりだし、素直にはなれないけど楽しく話せなりもする。


それでも、友達としか思ってないの?


───悔しかった。


悲しいというより、つらいというより、悔しいという気持ちが勝った。






「なんでそんなこと聞くのって?
 バカ鈍感男!!
 あんたが好きだからに決まってるじゃん!! 友達としてじゃなく、男として好きだからに決まってる!!」