恋人[短編]


「なんだよ」


さっきの事がまだ恥ずかしいのか、不機嫌な声を出された。


「絵美に、早川絵美に告白されたんでしょう? OKしたの、断ったの? どっち!」

「馬鹿、お前! 廊下のど真ん中で!」

「いいじゃない、そんなこと! 答えて」

「…………されたよ、告白」


少し間をおいて、顔を赤くしながらぼそぼそ言う。


告白されたのはわかっている、そこはどうでもいい。本当に知りたいのは、OKしたのか断ったのか。


大事なのはそこだ。

「で、断った」


さっきよりも小さい声で、私の大事な質問に答えてくれた。


その答えを聞き、ほっと溜息をついた。


ああ、よかった。だなんて人の───絵美の不幸を喜ぶようなものだけれど、私だって宮嶋が好き。好きなんだから。



「ならいい」


一言だけ言い、教室へと戻る道を歩く。


すると宮嶋が私の腕をつかんだ。


「なによ」

「なんでンなこと聞くんだよ」

「理由なんてないけど」

「答えろよ。今度は永遠の番だ」