恋人[短編]



…………だけど、


あれから一週間。



進展なし、そして、気まずい関係は続いている。


前より、少しは話せるようになっていったけど、楽しく話せるっていうところまではまだほど遠い。


そんなわけで、私は今まで通り絵美と話している宮嶋を見つめているだけ。



この、悲しい関係はいつまで続くんだろうか?



そんなことを思っていた矢先───…



「えっ、まぢぃ~? エミ、宮嶋に告るんだあ~」

「らし~よ~。だって、聞いたしぃ」



そんな、会話が聞こえてきた。いつも絵美とつるんでいる女たちの会話だった。


私の耳は、自然にその話を聞いてしまう。



「どこで~?」

「屋上じゃなーい? 詳しく聞いてないんだけどぉ」


“屋上”


なんとしてでも、絵美と宮嶋が付き合うのだけは食い止めたい。


まだ告白もしてないのに、失恋だなんて。絶対に嫌だ。



私は、屋上へと急いだ。






絵美が告白する前に───…