『虹の橋』 原作者不詳

 天国のほんの少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。
 この地上にいる誰かと愛し合っていた動物は死ぬとそこへ行くのです。
 そこには草地や丘があり、彼らはみんなで走り回って遊ぶのです。
 食べ物も水もたっぷりあって、お日様は降り注ぎ、暖かくて幸せです。

 病気だった子や怪我していた子が、そこではみんなが元気を取り戻します。
 傷ついていたり不自由な体になっていた子も元のからだを取り戻すのです。
 まるで過ぎた日の夢のように…。
 みんな幸せで満ち足りているけれど、ひとつだけ不満がありました。
 それは自分にとっての特別な誰かがここにいない寂しさ…。

 動物たちは一緒に走り回って遊んでいます。
 ある日、その中の1匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。
 瞳はきらきら輝き、からだは喜びに震えはじめます。

 その動物は群れから離れ、緑の草の上を走りはじめます。
 速く、速く、それは速く、飛ぶように。
 虹の橋にあなたを見つけたのです。
 あなたとあなたの友は再会の喜びに固く抱きあいます。
 そしてもう二度と離れたりはしないのです。

 幸福のキスがあなたの顔に降りそそぎ、
 あなたの両手は愛する友を優しく愛撫します。
 それからあなたは信頼に溢れる友の瞳をもう一度のぞき込むのです。
 あなたの人生から長い間失われていたけれど、心からは一日も消えたことのなかった輝き…。
 それからあなたたちは一緒に「虹の橋」を渡っていくのです。

 アンナにお話をするパパの声が震えていました。
 涙の粒がパパの頬を流れます。
 パパ、いつか一緒にいつまでも消えない虹を追いかけようね。
 大きな不安に襲われたって、決して闇に向かって走るのではなく、いつも光に向かって進もうね。
 素敵なお話をありがとう。 
 パパ、ママ、おねえちゃん、永遠に愛しています。