「…それで王家の紋章を盗み、庭で飼われている哀れなフラミンゴを死ぬほど怖がらせたという悪魔が、この小僧か?」

絨毯に転がされている俺を胡散臭さそうに見ながらそいつは言った。

「残念ながら俺は悪魔じゃない、妖霊だ。よ・う・れ・い、この違いわかる?」
「どちらも同じだ」

「全然違うね、印象が。悪魔って言ったら悪さしかしない、醜いしわくちゃのイメージだけど、妖霊って言ったらお伽話に出て来て、主人公を英雄に仕立て上げるかわいい妖精みたいなものだって思うだろ?
あっ、そうそうあの有名なシンデレラだって」


「黙れ」