半年と少し、ミツと暮らし、彼を好きになったことに、後悔はない。
自分の中に渦をなす、綺麗な感情も、醜い感情も、今は全部受け入れることが出来るようになったから。
だから、ありがとう、という言葉で別れた。
荷造りをして引っ越しを終え、ミツに鍵を返したのは、クリスマスの日。
両親やお兄ちゃん、そして亜子は、再び実家へ舞い戻ってきたあたしを笑顔で迎え入れてくれた。
嬉しくて、けれどちょっとだけ切なくなった、聖なる夜。
今日も眠らない街は煌々とネオンの色を輝かせ、やっぱり思うのは、優心のこと。
友人とのクリスマスパーティーを終えての帰り道、タクシーに乗り込んで、告げたのはあの住所。
キーケースに未だぶら下がっているくすんだ鍵を手に、今日だけは、素直になろうと思えた。
だってあたしはまだ、彼に何も伝えてなんていないから。
部屋のドアに背を預け、いつ帰宅するとも限らない人を待ちわびながら、冷え切った体を震わせた。
12月の深夜、風は身を切るほどに冷たいものだ。
帰宅時間なんて知らないし、ましてや今日はクリスマスだ、ナンバーワンのあの男が真っ直ぐここに戻ってくるなんてありえないだろう。
けど、それでも、吐き出した吐息に願いを込める。
どうかどうか、この想いがまだ彼に届いてくれますように、と。
自分の中に渦をなす、綺麗な感情も、醜い感情も、今は全部受け入れることが出来るようになったから。
だから、ありがとう、という言葉で別れた。
荷造りをして引っ越しを終え、ミツに鍵を返したのは、クリスマスの日。
両親やお兄ちゃん、そして亜子は、再び実家へ舞い戻ってきたあたしを笑顔で迎え入れてくれた。
嬉しくて、けれどちょっとだけ切なくなった、聖なる夜。
今日も眠らない街は煌々とネオンの色を輝かせ、やっぱり思うのは、優心のこと。
友人とのクリスマスパーティーを終えての帰り道、タクシーに乗り込んで、告げたのはあの住所。
キーケースに未だぶら下がっているくすんだ鍵を手に、今日だけは、素直になろうと思えた。
だってあたしはまだ、彼に何も伝えてなんていないから。
部屋のドアに背を預け、いつ帰宅するとも限らない人を待ちわびながら、冷え切った体を震わせた。
12月の深夜、風は身を切るほどに冷たいものだ。
帰宅時間なんて知らないし、ましてや今日はクリスマスだ、ナンバーワンのあの男が真っ直ぐここに戻ってくるなんてありえないだろう。
けど、それでも、吐き出した吐息に願いを込める。
どうかどうか、この想いがまだ彼に届いてくれますように、と。


