【この前はあんな風にして電話
 切って悪かったよ。どうして
 お前のことちゃんと祝ってや
 れなかったんだろう、って今
 では思うんだ。

 俺今日すっげぇ飲みすぎてる
 し、こういう時じゃなきゃメ
 ール出来ねぇんだけど。

 お前といた半年間、何かよく
 わかんねぇけど、失った今は
 寂しくて堪んねぇの。どうし
 て他の男なんか見てるヤツが
 良かったんだろうな、俺。

 けどさ、誰かを想うことって
 すげぇんだって気付いたし、
 そういうお前が好きだった。

 あんな男なんかに、って思う
 と正直悔しいんだけどさ。で
 もやっぱ、お前が好きになっ
 た男は否定したくねぇし。

 もう泣くなよ。幸せになれ。
 二度と俺の部屋に逃げてくる
 んじゃねぇぞ。

 あと、腹は冷やすな(笑)


   超イケメンの優心様より】








今でもまだ、消せずに残されたままのメール画面を見つめ、息を吐いた。


また少しクリスマスが近くなり、テレビの中は一層賑わいを見せるけれど、でも心にぽっかりと開いてしまった穴は塞がらず、隙間風が吹いている。


優心はきっと今も、人の笑顔の中心にいることだろう。



「なぁ、アンナ。
ちょっと話あるんだけど、良い?」


改まった口調でミツは、あたしの向かいに腰を降ろした。


あれ以来、関係が壊れてしまったあたし達は、それを戻すこともなく、だから顔を突き合わせたところで目を合わせられるほどではない。


重い沈黙の中で、先に言葉を見つけたのは、彼の方。



「俺さ、琴音と別れたんだ。」