古びたアパートの階段を軋ませながら、振り向き様に男に告げる。 「ふぅん、じゃあ帰りは迎えに行かなくて良い?」 「ぅん。」 この男はやけに細かい男だ。 細かい男は好きでは無いが嫌いでもない。 というより、"人間"として見たコトが無い。 すべては、欲求の為に……。