───PM19:00──





トントン…トントン……。



規則的に聞こえてくる、包丁が野菜を刻む音。




翼が仕事から帰ってきて、あたしが夕飯を作っていた。



そんな、毎日と変わらない風景。




翼が何をしているのかなぁって、自分の子供を見守る母親みたいに観察していた、いつものあたし。




だけど、そんな毎日の楽しみだったコトが、今日の出来事で色を失う。






「…由美?」





翼があたしに近寄ってきた。



知らぬ間に、包丁の動きを止めていて。





「……翼。」