「…そんな。」 あたしは、愕然とする。 ママが、そこまでする理由が分からない。 叔母さんと違い、強く反対するママ。 「……きっと、そのスパイってのは同じ学科にいる日本人。 名前も聞いた。 『百瀬 真衣』って子。」 確か、あたしが居る学科には日本人が6人くらい居た。 その中に、『百瀬 真衣』って子が居ることになる。 「……私、家出までした由美を……別れさせたく…なくて。」 鈴恵は涙腺のコントロールがきかなくなったのか、あたしに縋り泣いていた。