部屋の中は、温かい雰囲気が漂っているのに。 何も出来ない俺は、由美に罪悪感を感じていた。 今年中に日本に帰る? そんなコトはさせない。 別れさせられるだけの話だ。 由美の右手をギュッと握って、不安を紛らわす。 いつも余裕をかます俺が、こんな不安になっている。 まるで、3年前のような不安。 「ほら、行くぞ?」 「ぅんっ」 でも由美の笑顔を見てると、不安も少しは和らぐ。 大丈夫、だよな。 二人なら。