でも、近寄る足音と、あたしを呼ぶ声は……現実のもの。 「…何では、あたしが言いたっ…………ゎっ……!」 言い終えるか終えないか、あたしを抱き締めた……翼。 「……逢いたかった。」 ただ、たった一言。 だけど、"好き"と言われるよりも、あの時どんなに嬉しかったか…。 「翼ぁ……。あたしも、逢いたかったよ………。」 ほんの、一目で良い。 ………逢いたい。 それだけが、電話を切った後の心残りだったのだ……。