そのキスは長かった。 まるで、夢の中に入り込んだみたいに、甘くてボンヤリしてくる。 ホント、時間が止まったみたいだった…。 「…これで少しは機嫌直ったかな?」 「……。」 あたしは恥ずかしくて、俯いたままだった。 だって、反則でしょ。 「…可っ愛い。」 翼は言いながらクスクス笑ってるし。 「…翼のバカ。」 って、小声で反抗。 「…後で、教えるから。」 翼を見ると、あたしの手をさり気なく握って、照れ臭そうに笑う。