―……PM22:00…


あたしと翼は、タクシーである場所へと向かっていた。




その道中。

あたしは気になるコトを聞いてみた。




「ねぇ、なんでペアリングなんか買おうと思ったの??」



さっきは、ハッキリ聞けなかった。



ていうよりも、"ハッキリ言ってない"の方が正しいかな。




「あ〜、それは由美と同じのを使いたかったからで……。」




翼は真っ直ぐ前を見たまま、言葉を濁す。




「…まだ、何か言えないコトでもあるの?」


「……ないよ。」




翼はあたしに笑った。


でも、あたしには分かる。



……まだ、何かある……