「…手当てなんか、してやんない。」



「…ァハハ…(笑)
ごめんってば。」




家に入り、誰も居ないシンっと静まり返るリビングで。



手当てをしないだの何だのと言いながらも、あたしは救急箱を探していた。



「あったあった。」



救急箱から、消毒液と脱脂綿にピンセット、絆創膏を出す。




「そういや、おじさんと真子ちゃんは?」



翼が辺りを見回しながら聞いてくる。




「お父さんは知らない。
真子は友達ん家に泊まり。」



「…で、由美一人?」




「いや、友達ん家に泊まろうかなぁって思ってた。」