いちいち報告しなくても……。 そんな風に思いながら、ソファに座って様子を見ていた。 「…由美、」 突然、名前を呼んだママ。 だけど、そのママの顔を見た瞬間に息を呑んだ。 「…翼が由美にかわって、だって。」 背筋が凍るような、怪しんだ笑顔。 勿論、目は笑っていない。 何かを見透かした、だけど、心配しているような……悲しい目。 「…つ、翼が?」 「…えぇ。早く出なさい?」 「…うん……。」