中には、キラキラと光り輝く黄金の代紋が入っとった。



18金で出来た番号入りのバッチ――



わしらの様なチンピラが所持している金メッキのバッチとは厚さも重さも違う。



「す……凄いっすね……。」



姐さんはその金バッチを手に取り、わしらの前にそっと置いた。



「あんたらよぉ聞きや。これはバパににはもちろんの事、うちの幹部連中にも絶対に喋ったらあかん事やからな。」



澄ました顔で代紋をチラッと見つめる姐さん。



「はい……。」



「今回の高田一家に納める上納金な。ちょっとどないもこないもいきそうにないからな。この代紋、質屋に出してき。」



「え!?嘘でっしゃろ!?」



思わず声を上げる原田の兄貴。



「ツバ飛ばすな汚い!!!こんな真剣な顔で嘘なんか言うか!!!」



「いつもそんな真剣な顔で嘘ついてはりますやん……。」




すかさず兄貴の頬にビンタが飛んでくる。



「…………………!!!泣」



「ええか?このバッチはな、高田一家の幹部に与えられる正真正銘の番号入り金バッチや。かなりの価値があるはずや。」



「せやかて姐さん、そんな事おやっさんならまだしも、高田の総長の耳に入ったらえらい事になりまっせ……組のシンボルを金で売る事になりまんねんで……。」



「分かってるわ!!!せやから何とか早く金作ってまたすぐにバッチ買い戻すんや!!!まず今は金を作るんが先やろ!!!」