またおやっさんの尾行を頼まれるんやないかとヒヤヒヤしながらも、わしと原田の兄貴は玄関をのドアを開けた。



和室で寝ているおばあちゃんを起こさない様に、忍び足で廊下を進んだ。



★このおばあちゃんについては、後ほど紹介しよう。



居間に行くと姐さんは、正座をしてわしらを待っとった。

机の上には、小さな木箱がポツンと一つだけ置かれてある。



「姐さん何の用でっかぁ?」



少し面倒臭そうな口調で兄貴が言った。



「あんたらここ座り。」



何か重い空気の中、わしらは姐さんの前に腰を下ろした。



「さっきの上納金の話やけどな……あんたら若い衆に頑張ってもらわなあかんねんけど、どうもお前らだけは頼りない。」



「は……はぁ。」



「そこでやな……」



姐さんはそう言いながら、目の前にある小さな木箱のフタをパカッと開けた。