そしてついにおやっさんの出番。

もちろんわしは、まだおやっさんの歌を一度も聞いた事がない。



大きなおやっさんがマイクを握り、小さなステージに立つ。

そしてイントロが流れ、モニターにタイトルが現れた。





『兄弟船』





この曲は必ずカラオケで歌うおやっさんの十八番やという。



おやっさんを見ると、もうすでに目を閉じとった。

固唾を飲んで見守る若い衆。

そしてついにおやっさんが歌い出した。