わしは複雑な思いのまま、何とか閉店まで一人で乗り切った。



「ふぅ……」



だが嫌な予感が頭をよぎる。

つまらん悪知恵を若のせいにしてしまったんや。

バレたらどっちからも責められるに違いない。



不安を頭に残しながらもわしは、屋台を閉め西山さんに電話をし迎えに来てもらった。



車中で今日あった組長さんの出来事を真剣に話すと、西山さんは大爆笑をし、タコ焼きに関しては特にうるさい組長さんの事を色々と教えてくれた。



厨房に帰ってくると、若い衆と楽しく喋ってる若がいた。

真っ先に若に走り寄るわし。



「若!!なにしてたんすか!!!」



「おっ!平ちゃんおかえり♪」



「何ですのその平ちゃんて!!!だからなにしてたんすか!!!!!」



「平ちゃんあれやで。何事も経験やで♪ちゃんと生地2つ用意したらしいやないかー。なかなか賢いぞ♪」