事務所で売上の計算やら、祭での話をみんなでしていると、女の人の声がした。というよりオバハンの声。



「あんたらご飯食べー!!」



品のない甲高い声を上げて事務所に入ってきたのは、ここの組の奥さん。つまり姐さんやった。



わしの中で姐さんというのは、高い着物をまとい常におしとやか、しかもちょっとエッチな大人の女――

そんなイメージやった。



でも現実は違った。

チビでデブでおまけにパンチパーマ。どのパーツを見ても綺麗な所なんて何ひとつなかった。



「姐さん。こいつ今日からタコ焼きのアルバイトさせとりまんねや。」



そう言って本部長の本田君がわしを紹介する。



「こ……こんばんは!!平尾いいます!!!」



「お〜そぉかぁ♪ボクいくつや?」



「(ボ……ボク……!?)18っす!!!」



「毎日でも遊びにおいでや。アルバイトするんならいくらでもご飯食べさしたるからな。」



「あ……ありがとうございます!!!」



そう言って姐さんは出ていった。



「お前さっき姐さん見て心ん中でちょっと笑ったやろ(笑)」

そう言って本田君がニヤニヤしながらわしに歩み寄る。



「いやいや笑ってないですよ!!!(汗)」



「うそつけ!!!!」



「ほんまっすよ!!!!!(汗)」



ちょっとどころか大爆笑やった。

あんなチンチクリンな女性自体見るのは生まれて初めてやったんや。