てのひら。




約束の時間になると、沖縄に着いた時と同様に重い重いという単語が皆の口を吐く。


楽しい時間を過ごす間、重い荷物の事などすっかり忘れていたのだろう。

辛い、それであって重くのし掛かる荷物という現実に嘆いてすらいる。



ホテルの前、広めの場所に腰を下ろすと、ホテルの関係者の人に代表がお礼を述べた。



―2日間お世話になりました。

楽しい時間を過ごすことができたし、あたたかいご飯は最高でした。


ありがとうございました。―


代表が頭を下げると、一体誰が始めたか、あちこちから拍手が起こった。


楽しい時間?

あったかいご飯が最高?


私にはいささか気に入らない挨拶だ。

とりあえずその場の空気を読んで音のない拍手をし、嫌な思い出の場所となったホテルを後にした。