てのひら。




翌朝、6時半過ぎに目が覚めた。

昨日のことは夢であってほしいなんて、心の片隅の方で思っていたが、そんなのは甘すぎる望み。

ずんと重い頭と赤く腫れた目が、昨日の荒事が現実であるということを嫌なほど強く物語っていた。


『おはよう』

『あ…おはよう‥』


何事もなかったような挨拶、それに続いたのは


『大丈夫?』



―大丈夫?

何それ。大丈夫なわけないじゃん…。
あんなことがあって、大丈夫な人なんていないでしょ。


友達なんて…やっぱりこんなものなんだ。

最低―


皆信用できない

本当の私の事なんて、誰も何一つ分かっちゃいない


分かってもらえないならいっそ、皆の前では違う自分を演じてやろうと


自分自身さえ、それが私だと騙し込んでしまおうと思った。

そうすればきっと、こんな惨めな思い、しなくてすむ…



私は自分さえも、騙してやろうと決めた。

自分が騙されれば、嘘の私に気付ける人はおそらくいないだろうから。