今は部屋に戻ろうと言うことになり、私はタオルを顔に押し当てて桃奈達の部屋を出た。
部屋の外は騒ぎのせいで何事かとざわざわしていて、
私を見るなり『どうした?』、『大丈夫?』と口々に言っていた。
部屋に戻ってベッドに座る。
堪らなく胸が痛い。
込み上げるものを必死に抑えようとするけれど、今度ばかりは抑えようがない。
バケツの水がひっくり返ったように、私の目からは涙がこぼれた。
その教師はそんな私に何があったとばかり聞く。
しかしそれもおかしくはないだろうか。
今こんな状態で、事の事情を話せるはずもない。
あの騒ぎをおさめてくれたことには心なしか感謝していたが、早く出ていってほしい、そう思っていた。
すると、声もなくただ泣いている私の背をポンポンと叩くものがあった。
慰めようとでもしたのか、その手は愛弓のものだ。
あのとき私は泣いていたから言えなかったが、もしそうでなければ、“触らないで”と言っていたに違いない。
人のことそっちのけだった奴なんかに、今さらそんなことしてほしくなかった。
いっそのこと、あいつらと一緒に出ていってほしかったくらいで、何もかもが腹立たしくてならなかった。
