はぁ…



ミナミはマウスを弄びながらため息をついた。
朝からまた憂鬱になる。



どうして最初に頼朝と名乗ってしまったのだろうか…
どうして女のままでいかなかったんだろう…



キャラ設定があいまいなままデジタルマスターと接触してしまった事に、ほぼ毎日後悔している。



だけど…
頼朝ではない他の誰かなら、デジタルマスターはこんなに長い間相手にしてくれなかったかもしれない。



そう考えると、大正解だったような気もする。



こんな堂々巡りが毎日続き、疲れていた。



それでもミナミは、顔も名前もわからない、ディスプレイの向こう側にいるはずのデジタルマスターに想いを寄せていた。