『渡せない。』



そんなセリフ聞きたくなかった。



谷口の腕の中で動揺してるあげは。




あげはにあたるのは間違っている。



わかってたはずなのに………




なのに……俺は………。



後悔しても足りないくらい、自分に対して嫌悪感がつのった。



「じゃあそう言うことだから。」



そう言ってあげはの手を引きながら教室を出ようとする谷口。




止める資格が俺にあるか?



我を忘れて、あげはの言い訳も聞かずにいた俺に。