門に入り玄関で手続きを済ませた。

受付の人には兄の忘れものを友達と届けに来たっとウソをついて。

体育館に着くともう部活は始まっていた。

私達はこっそりと入り見やすい場所のはじっこに座った。

果菜はきょろきょろしながら

「誰誰?」

さっきの言葉、忘れたか…

私は果菜の頭を軽くたたいた。

「いった…」

「静かにしてって言ったでしょーが」

「ごめん」

私は涼の姿を探した。

いた…

彼は竹刀を打ち合っていた。

すごい…

「あれ?」

果菜が耳元で尋ねた。

「うん…」

「強いね、お面をはずした後の見てみたい」

果菜ってミーハーだったっけ?

「やめいっ!!」

力強い声で私達はビクッとした。

涼は座り面をはずした。

髪を手でかきあげた。

ドキッ

どんな姿も仕草もかっこよく感じる。

「かっこいいね」

「うん」

和んだ雰囲気の中

「「キャーッ、かっこいい!!」」

この言葉で消された。

あの子たち試合の時にもいたな、追っかけか?

涼はそんな言葉を無視し顔を洗いに行った。

「行ってきなよ」

「うん、チャンスチャンス」

私はファンの子たちに気づかれないように外へ出た。