だけど、そんな顔をさせてしまうなら、私のちっぽけな羞恥心なんて、いらないと思うんだ。 「怒ってないよ」 「え」 「怒ってないからね。桐原君、……ありがとう」 「……うん」 「帰ろっか」 「そうだね」 だって私は、桐原君の笑った顔が好きだから。青空みたいな、桐原君の笑顔が。