「「…だあーっ!!」」

「光も千尋ちゃんも突然叫ばないでよ……耳痛ぁ」



突然、二人で叫ぶんだもん
ビックリしすぎて飛び上がっちゃったよ…。



「なんでぇ?」

「だって…いないものは仕方ないよ」

「本当にいないの?」

「うん。それにあたしの好きな人関係なんて何もないからつまんないよ?」




そう、何もない。
って思ってたのに。

どうしてか…音弥の表情がフラッシュバックされて、あたしの脳を埋め尽くす。

瞬きをする度に百面相をする音弥。




「仕方ない。千尋はどう?」

「あたしは……」




さっきまで元気よく話していたはずの千尋ちゃんが、しおらしくなって照れている。

女の子の顔をしてる。
初めて見たかも。



「ははーん。これは恋愛してる顔だな?」


すかさず光が口を挟む。

千尋ちゃんは更に赤くなってるし、真綾ちゃんは面白そうに笑ってる。



「…ねぇねぇ」

千尋ちゃんに質問攻めする光は置いといて……と。

あたしは真綾ちゃんに話し掛けた。




「あの二人の好きな人知ってる?」


あたしが尋ねると、真綾ちゃんはフフッっ笑って言った。


「……秘密」