「んっ……」



強く強く引き寄せられて、


履いていたスリッパがぽとっと落ちて。



「ぷは……」



腰に回った流川の腕に、たまらずしがみついて息をもらすと、


ようやく熱い唇から解放された。



「早く慣れろよオレに。そんなんじゃ……先のこと、できねぇぞ?」



ふふんと笑う流川。


指先が、私の髪で遊んでいる。



「キスぐらいで赤くなるなよ」


「////」



そのまま見つめあって、


もう一度、流川のまぶたが閉じかけたとき。





「ちょーーーっと待ったーーー!!」





廊下の向こうから、オネエマンの叫び声。


びっくりして目を向けると、


目を三角にしたらぶりー留美が仁王立ちしていた。



「それ以上はさせないわよっ!!」


「ひぃぃ……っ」



すっぴんのオネエマンは、ものすごい迫力。


普通にオトコなんですけどっ。



「アタシが落ち込んでここに来てるんだから、アンタたち、ちょっとは自粛しなさいっ!」



ドスドスとじだんだを踏むオネエマンの姿に、



「……」


「……」



私と流川は、無言で顔を見合わせた。



その夜、流川と一緒の部屋に入ろうとした私の腕をつかんだオネエマンに引きずり出されたのは……


言うまでもなく。



「なんでこうなるのぉ~……」



別々の部屋におさまった私たち3人は、


こうして微妙なレンタル関係をスタートさせた。



トホホ……