「ちょっとこっちに来い」
「……へ? なんで?」
「いいから。早く来いって」
有無を言わせない流川の目。
「……」
どーせまた、説教でもするんでしょ?
カウンター壊したら1週間メシ抜きだとか脅すんでしょ?
しぶしぶ言われたとおりに移動した私。
怒られてる小学生みたいにうつむいて流川の前に立つと。
「まわれ右」
「……なに急に?」
体育の授業じゃないんだから。
「早くまわれって」
「なんで?」
「いいから。言うとおりにしろって」
「……後ろから飛び蹴りとかやめてよね」
「するか、アホ」
流川に背をむけて、ビクビクしながら次の言葉を待っていると。
「ひゃ……」
すばやく、流川の両腕にとらえられ。
振り向く間もなく、ぐいっと引き寄せられた私は、
流川のひざの上に乗せられた。